8月18日。(2015年夏)
- 2015.10.04
- サッカーのこと
その時はいきなり来たのでしょう。
考える間も与えず。
代々の先輩たちのその瞬間の姿を見続けてきた彼の、脳裏に焼き付いた何かがスイッチを押したのだと思います。
終了のホイッスルと共に、涙がこぼれたようでした。
相手チームの選手が健闘を称えに来てくれました。
整列時に身体をかがめてしまった長男の背中に、同じ高三生部員がそっと手を添えてくれました。
後輩部員も一緒に泣いてくれました。
対戦相手に恵まれ、仲間に恵まれた足掛け六年間のベンツマーク校での競技生活でした。
小学校の頃は練習嫌い・持久走嫌いで、体型もふっくらしていた長男。
よくやり切ったと思います。
グラウンドに立つ彼の姿を観ているのが好きでした。
喜怒哀楽。
普段、家の中では見せることのない真剣な姿でした。
この日、わたしはある考えをめぐらしていました。
わたしたち夫婦と長男、三人で写真を撮りたいと思っていたのです。
そして試合後、落ち着きを取り戻していた彼に声をかけてみました。
‘ 三人一緒に写真を撮らないか?’
あっけないほどに了承してくれました。
‘ いいよ’と。
わたし、ユニホーム姿の長男、そして嫁さん。
わたしは一方的に長男と肩を組みました。
今後そうすることも少ないだろうと。
思い出の一枚となりました。
応援を始めたころ。
終わりが来たとき、自分はどのような姿でその場にいるのだろうか?
涙、鼻水を流し、だらしない自分でいるのではないかとも思いました。
予想外でした。
あっさりしたものでした。
やりきりました。
初めは興味本位、
監督先生に‘皆勤’と言われ、
そして半端なことなくイレブンたちを応援し切ろうと思い始め、
通いに通った応援生活でした。
やりきった長男、そしてわたし。
清々したふたつの顔にそれを見守ってくれた優しい微笑みの写った一枚でした。
わたしたち三人のベンツマークイレブンでした。
がんばれ、ベンツマークイレブン。
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